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美野里ハイタウン通信
映像記録と平行して、住人のみなさんから聞いたお話や団地内のあれこれをまとめ、
手書き&イラスト満載&コンビニコピーで印刷して個別配達した、団地内ミニコミ。
立ち退きまでに全15号を発行。

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vol.7  ウグイスは知っていた!? 2003.12.16  

4号棟の木村さんに、お話をおうかがいしました。
ここに来たんは、うちが一番ですわ。入居日の1日前でね、電気もなしの状態で。
はじめの頃は3階かの自分の部屋から富士山が見えたんですわ。そのあとマンションが
できて、見えんようになってね。この7年くらいは、春になるとウグイスが来よってね、
ええ声でねぇ、緑がきれいな時にウグイス、ええなぁ思ってましたら、今年は来んかった。
今思えば前ぶれかねぇ。
秋にはバス停から見ると高級庭園のように見えて綺麗ですわ。
冬は10何年か前、大雪があって、車で坂を下るのが大変やったのを覚えていますわ。
キィィーッ!となってね。今は孫と遊ぶのが楽しみですわ。近所に3人おってね。
ここらで、虫をとったり。トンボ捕まえてやると、すごいすごい〜ゆうて、尊敬されるんですわ。
オレを好いててね。
風の彫刻モビール、ありますやろ。あれが好きでね。たくさん作って飾ってますわ。このへんの
ドングリ拾ったりしてね。家内にはブラブラ邪魔くさいって怒られますけど。あとインターネットで
麻雀、それからカラオケね。周りに誰もおらんから気がねせんと歌えますわ。
今はうちの中の片づけで、へぇー、というものがいっぱい出てきてる。なつかしいもんがね。
引っ越ししたないけど、反面、考えようによってはそういう楽しみもあるね。


vol.5  毎日が遠足!?子供たちのハイタウン 2003.12.16  

夫の転勤で各地に住んだあと、ここに入居したAさん
にぎやかでしたよ。朝はね、棟と棟の間を、小学生が列をなして歩いたものです。奥の方から中学生も
歩いてきて、ベランダから見おろしているとそれこそ遠足か何かのようでね。毎朝ね。下校時間も
「今日は中学生、帰りが早いな」と思うと期末試験だったり。にぎやかでしたね。今はもの足りないですね。
ゴミを出す時なんか、子供さんが通と、おはよう、なんてつい声をかけてしまうんです。

アハンガルさん
2年前か、もう少し前ぐらいか、子供の数はピークだったんじゃないかな。うちの子の同級生もたくさん
いたのに今は2人になってしまいました。
棟の前の駐車場が、車が減って広々していたので、子供たちはそこで遊んでいました。どんぐりの当てっこ
したり、ボールで遊んで、基地つくったりね。子供の声がすると安心するというか・・・。
今はさみしいですよ。子供にとっては駐車場が思い出の場所なんです。そこの公園も・・・
今は荒れてしまいましたが。

 

vol.3  あなたのお気に入りは何ですか? 2003.11.30  

3階にお住まいのAさん
ですね。バス停通りの桜はきれいです。毎年楽しみにしていました。ここが競売にかけられてから、
今年で最後かな、来年も見られるかな・・・と思ってね。9月のはじめ頃にはキンモクセイが匂います。
そういう自然は勇気をくれますね。冬が厳しい地方にいたころ、春先の黄色い花が咲くと嬉しいんですよ。
その気持ちをね、思い出しますね。うれしいですね。

2階にお住まいのBさん
近くに学ぶところがいろいろあって。県の生涯大学に通ってお友達がたくさんできて、生活が
楽しくなってきました。引っ越してくる時は、あっちのほう(東京からみて)いやだなあ、と
思っていましたが、環境がいいし、文化サークルがたくさんあって、東京より充実しているんじゃ
ないかしら。ダンスを習ったり。今は囲碁と英会話を習っています。夫を負かしたいから、英会話は、
この前、駅で道を聞かれて、答えられなくて困ったので・・・。

5階にお住まいのアハンガルさん
大きな。ベランダの前に大きな木があって、ぐんぐん伸びてくるんですよ。あ、もうすぐ
こっちに入ってくる!とかね。そんな感じで楽しみにしてました。子供たちもどんぐりを拾うのが
大好きなんですよ。ここから、向こうの森が見えたんですよ。ところが今は、ブルドーザーが入って
木が伐られてしまって。この夏は、大きなカブトムシが何匹もうちに逃げてきましたよ。


vol.2  沖田さんに聞きました 2003.11.24  
11月16日のお掃除に突然現れた、映像ディレクターの沖田さん。
美野里ハイタウンを取材中の沖田さんを逆取材しました。

(Q) そもそもどうしてここに来たんですか?
(A) 僕、1-306の渡辺さんの友人なんです。
    彼から、今回の2月に立ち退きとか、いろいろ聞いて、それで心配になって来てみたのが最初です。
(Q) 来てみてどうでしたか?
(A) なんだか懐かしい感じがしましたね。木があって、僕が小さい頃の団地のイメージで・・・。
(Q) 沖田さんも団地に住んでいた?
(A) いえ、一戸建ての借家なんですけど。近くの山側に団地があって、
    あんな高いところに住んでみたいなぁとか、鉄筋コンクリートみたいなものに、
    あこがれていたんですよ。それを思い出しました。
(Q) どういう取材をするのですか?
(A) この前の掃除の時、大勢集まっていましたね。ボーペンさんはいなかったけど(笑)。
    いろいろな、ひとりひとりの人生というか、家族の歴史と、
    ここの団地の暮らしが結びついているわけですよね。
    いろんなことが起こっているけど、そういう現実と、住人のみなさんの思いもね、
    できるだけ記録として残したい
ですね。ひとつの“まち”が消えようとしているんですから。
(Q) テレビで放送されるのですか?
(A) まだわかりません。インターネットという方法もあるし。
    ドキュメンタリーとして、取材、撮影させて頂きます。